天使と悪魔とそろばんとテンション

 頭の中で正しいことを示す意見と倫理にもとる意見が対立している事を「天使と悪魔」なんて表現したりする。

 自分の中ではしばしば「冷静にそろばんを弾いてるやつとテンションで動こうとする奴」が対立している。

 例えば「イベント参加して薄い本出してえ」という意見に対し、前者は自分の預貯金と時間配分を印刷代や遠征費や参加費や薄い本代を天秤にかけて窘めてくる。後者は本を出したら楽しいとか同ジャンルの本が漁れるとか実質無料とかそういう事を言ってくる。

 恐らく前者が理性で後者が感情なのだろう。感情が勝つときは例えばその作品から受けた感情があまりにも大きくて理性を塗りつぶしたか、金に余裕がある時か、どうにか別を削って折り合いを付けたかだ。イベントに参加すると確実に楽しいが、ある程度帰ってくるにせよ金はどうしても必要になる。

 イベントで本を出す事はライブ参加とかに近い。本を出した所で大部分は黒字どころか赤を出来るだけ減らすレベルの話しか出来ない。しかし、イベントに参加したという経験を買っているのだ。イベント参加はライブのように一期一会で、その時にしかいないサークルなんかも居るだろう。

 話が逸れたが、その経験を買うには金がいる。金に余裕があるときは理性も鳴りを潜めているが、貯蓄が心もとなくなると声が大きくなる。特に自分は一人暮らしで出来るだけ親とも関わりたくないので、通帳の残金はかなりの死活問題だ。

 ああ、5000兆円貰って理性を黙らせてやりたい。