龍が如く7をクリアしました(ネタバレなし)

ドラクエパロやら頭のおかしいクエストがあるだの色々言われていた如く7を買いました。クリアしました。プレイ時間60時間弱だったかな。ちなみにシリーズは全く未プレイです。

付き合いのある人にはゲーム好きも多いので、折角なので良かったポイントと惜しいポイントを列挙してみる事にしました。参考までに。

良い点

・シナリオがドチャクソ良い

・価値観のアップデートがされている

・クオリティの高い街の路地裏まで歩くことが出来る

・モーションが凝っている

 

惜しい点

・ゲームオーバー時のやり直しが面倒

・技ムービーのスキップが出来ないのでレベル上げが面倒

・UIが惜しい

 

・シナリオがドチャクソ良い

 散々ドラクエがパロられてると言われている如く7ですが、何故ドラクエをパロったのかという事にちゃんとした理由が付けられています。

 主人公の春日一番は単体でもそれなりに強く下っ端ヤクザ数名程度ならば一人で片付けられますが、強い敵だと仲間の手を借りる必要が出てきます。バトル面だけでなく、春日は感情的になったり独善的になる傾向があり、そんな時に仲間が宥め、諭したり、また春日では出来ない事を仲間がやってくれる事もあります。

 例を挙げると、潜入の時に活躍するのがサッちゃん(紗栄子)で、バトルも強いけどキャバクラに潜入するとか事務方の仕事をするという春日に出来ないことをこなしてくれるんですね。有能。

 話が逸れましたが、つまり完璧超人ではない主人公が仲間と協力し合う事でクエストをこなしていくという形になっています。更に、このゲームはヤクザものなので、強大な敵は背中に龍を彫っています。つまりそれをドラゴン(強大な敵)を倒すクエストに掛けているのです。春日は発展途上なので龍魚(鯉が滝のぼりして龍になる伝承)を彫っています。つまりは伸びしろ・レベルアップという概念に掛かっています。頭がいい。

 

 

 ドラクエの話はここまでにして、他にもあるシナリオ面の良いところを述べていきます。

 基本的にこのゲーム、キャラクターたちの頭が軒並み良いです。そして「機転が利く」「知識がある」「裏をかくのが上手い」など頭の良い方向が違うので、ハイレベルな謀略合戦が見られます。久米みたいな例外はいますが、あれはテロール教授が嬉々として題材にしそうな「カルトに騙されやすい人」の典型例だから…。

 

 そしてこのゲームのテーマとして、どこにも居場所がない人間たちや選択肢のない人間たちが繰り返し描かれています。ムショから戻ったら組が別物になって居場所が無くなった春日、あらゆる事情から本来の居場所に居られなくなったホームレスたち、まともな戸籍のない二世三世の水商売の女性たちなど。ヤクザ、マフィアたちもどうにか居場所を作るというテーマは共通しています。そして人生の選択肢もないという部分に繋がる事を、かなりこの作品は真面目に描いています。人が全てグレーゾーンに居たいわけではなく、そこにしか選択肢が無かった人間たちも居るのだと。

 ・価値観のアップデートがされている

 このゲームは風俗だのヤクザだの、ともすれば一昔前の価値観を押し付けて来かねない題材を扱っています。しかしながら、基本的に主人公とその仲間たちはある程度線引がされていて、言い過ぎだとか価値観が古い時はお互いに指摘し合うし修正します。やさしいせかい!

 金を払って風俗に行く話はありますが、女性の仲間に風俗と同じことをしてもらおうとかおさわりがどうのとかそういう話はしない辺り、線引がはっきりしています。

 このゲームのクエストにはDV被害者の話、夫婦の離婚危機など様々なテーマが扱われています。それらに対し「家族だから」「我慢しろ」などで解決させるのではなく、相互理解をまずさせようとする姿勢があります。まあ、半グレのヤベー奴だったら最終的に暴力とかになるけど…。

 

・クオリティの高い街の路地裏まで歩くことが出来る

  実在する企業とコラボしているので牛角やがんこ寿司などはそのまんま、そうでない所もかなり綿密に町並みが作られていて、歩いているだけで楽しいです。

 現実だと治安の関係で行きづらい路地裏や雑居ビルも作り込まれているので、路地裏を歩いて「ここと繋がってたのか!」など様々な発見があります。

 

・モーションが凝っている

  転職システムで壊し屋だのダンサーだの様々な職業になる事が可能で、上のムービーはその中の「女王様」のスキルです。職業によってスキルは異なり、モーションがコンパチのスキルはほぼ無いに等しいので、新しいスキルを得るたびに新しいモーションが追加されていくに等しいです。相手をよつん這いにするスキルがあるので、敵用のモーションも作られていますし、ムービーの入る絆技だと敵の表情まで変化したりします。

 デリバリーヘルプという金でヘルプを呼び出す技もあり、それらのムービーも凄く作り込まれています。

 

・ゲームオーバー時のやり直しが面倒

 ここからはもうちょっと改善されてほしいなあと思ったポイントです。ゲームオーバーになった時は所持金の何割かを失って再戦するスタイルなのですが、それを拒否した場合はセーブしたところからやり直しになります。ダンジョン内ではセーブが特定場所でしか出来ない事も多いので、下手するとダンジョン攻略からやり直しになります。

 まあ他のゲームでもよくある話では?ともなるのですが、次の項目と合わせて非常に時間のロスがでかくなります。あと自分はラスボス攻略時に即死が飛んでくる事を知らず、春日が死んだらゲームオーバーなのに春日に即死技が飛んできてやり直す羽目になりました。しかも即死無効の装備をつけ直すには結局ダンジョンの初めからやり直さねばならず、運ゲーに2回負けて諦めてダンジョンを2回攻略しました。

 

・技ムービーのスキップが出来ないのでレベル上げが面倒

 絆技というムービーが出る技はスキップ可能なのですが、スキップできるのはそれだけです。通常攻撃でも近くのものを蹴り飛ばすモーションが入ったり指定の敵の所まで移動する時間があるので意外と時間がかかります。極技でも同様です。しかも敵味方の技発動時間と移動時間がスキップ不可なので、レベル上げ効率が良かろうとそれなりに時間がかかります。なんでバトルスピードは通常か低速しか無いんだ…。

 

・UIが惜しい

 これについては主にアイテム欄と選択肢になります。このゲームは食品の種類が豊富で、様々なコラボ商品を回復アイテムとして使用できます。しかし、種類が増えてくるとわざわざかなりの量をスクロールして目的のアイテムを探す必要があります。何故か便利ボタンの類がない。上の方にあるアイテムは回復量が低いので後半では使わなくなるのです…。

 選択肢は蒼天堀アリーナが分かりやすいのですが、毎回下に降りるボタンの説明を出して○ボタンを押させた後に、降りるかどうかの選択肢(しかもカーソルは降りない方向に合っている)が出てきます。わざわざ二回ボタンを押さなくても一回で良くない?しかも降りた後も戻る選択肢はあるのであまり意味のないこの選択肢があるのがとても謎です。

 

色々書きましたが、とりあえずシナリオは非常に良いので、RPG好きで街を歩き回るのが好きなら気にいるのではないかと思うゲームでした。